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カイムキタウンの11thストリートにひっそり建つ、お洒落な一軒家。以前からなんとなく気になっていたのだけれど、まさかこんなワンダーランドだったとは!
そのワンダーランドが、こちら。オーナー・デザイナーのサマー・シイギさんが手掛けるローカルファッションブランド「Ten Tomorrow(テン・トゥモロー)」の直営店です。
元スタイリストが作り出す「着心地良い服たち」
ロコガールであるサマーさんが、自らのファッションブランド「Ten Tomorrow」を立ち上げたのは2014年のこと。もともと、スタイリストとしてファッション業界に携わっていた彼女。パーソナルショッピングやファッション関連の撮影、ファッションショー企画などを幅広く手掛けていましたが、自分がオーナーデザイナーになるとは思ってなかったのだそう。
「でも、様々なファッションと関わっていく中で、“自分自身が作り出す”ということ自体に興味を持つようになりました。今のように、ファッションデザインを手掛けられるようになったこと、そして生まれ育った街、カイムキで店舗を構えられるようになったことは、とても幸せだと思います」とサマーさん。
レディースのモダンリゾートウエアを中心に、Ten Tomorrowのデザインはすべてサマーさんが手掛けています。アイデアは、お客さんや友人とのやりとりにヒントを得ることが多いそう。「結婚式のための洋服を探してるの」とか「旅行に行くから、しわにならず、パッキングしやすい服が欲しい」いう話題から、ちょっとドレッシーなラインを作ったり、シワになりにくい動きやすいスタイルを考えたり。身につけてくれる人が、喜んでくれるものを提供したいのだそう。
ショップ2階の工房には物作りへの愛が詰まってた
「アイデアが生まれてデザインを作ったら、それを信頼できるパターンメーカーや素晴らしい制作チームと一緒に形にしていきます。ショップの2階は、オフィス兼アトリエになっていて、Ten Tomorrowのデザイン、サンプリング、パターン作りなどはすべてここで行ってるです。その他の作業も、全部ハワイ内の工房と協力して作っています。物作りへの愛情、そしてメイド・イン・ハワイへのこだわりは強いですね」。
アトリエには、ファブリックをカットする大きな台や、歴史を感じるミシンが置かれていました。「うわあ、レトロでかわいい!」と言った私に、「ミシンがちょっと古いのは、新しい物を買うのが難しいからなんだけどね…」と笑うサマーさんでしたが、ちゃんと手をかけて、一つずつていねいに作っている感じが最高だと感じました。
「サスティナブルにも関心は持っていて、たとえば裁断ででる余り布を生かして小物やスカーフを作ったり、ダメージのものはサンプルセールにするなど、なるべく無駄をださないようにしています」とも。
とろけるような柔らかい素材…癖になる
愛するハワイでていねいに作られる、Ten Tomorrowのお洋服たち。サマーさんの生み出すコレクションは、とにかく圧倒的に着心地がいいのです。とろけるような柔らかいジャージー素材が中心で、伸縮性もありシワにならず、たためばコンパクトに。お洗濯や取り扱いも楽ちん♪
シンプルなソリッドカラーから華やかなプリントまでカラーも豊富で、オフィスでも、旅行でも、ちょっとしたパーティーでも、着やすい。さらに、ゆったり着られるからホームウエアとしても優秀。サイズもバリエーションがあって、小柄なアジア人向けにXXSサイズから展開してる。ね、すごくないですか?
パンデミックの間は、お店を開けることができず大変だったけれど、地元でがんばるスモールビジネスの起業家たちと、テキストグループを作って情報交換したり励まし合ったりしたそう。また、スタッフのアイデアで病院関係者のためのマスク制作にも着手。一般向けのマスクも作って、「マスクをひとつ買ってもらえたら、ひとつ病院にドネーションする」というプログラムも作ったと。
たいへんなのは自分たちだけじゃない、というアロハの気持ちが素敵だなあ。本当に。
カスタムオーダーで「身体に合わせたお洒落」の贅沢
現在は徐々にビジネスが再開して、お客さんともまた繋がれるように。SNSを使って情報共有したり、テレビショッピング的なことも試すと共に、新たな試みとして「デザイナー・エクスペリエンス(カスタムメイド}」をスタート。既存のスタイル(パターン)やプリント、カラーを自分で選んで組み合わせ、サイズも自分に合わせて作ってもらえるというシステムなんです。「身体に合わせたお洒落を提供したい」とサマーさん。こういうのって、ありそうでなかなかない気がしません?ちょっとワクワクしますよね。
もちろん、裾上げやサイズ調整も対応可能。好きなお洋服を、自分にフィットさせて纏う。贅沢だよなあ。
お洒落なローカルアーティストの作品も
太陽光が明るく差し込む、やさしい雰囲気の店内には、サマーさんによるオリジナルのアパレルラインのほか、お互いにサポートし合う女性ローカルアーティストたちの作品も置かれています。
オシャレな「ミーシャハワイ」のジュエリーや、かわいらしいカード、上質なフレグランスアイテムが大人気の「ジュルス&ジェム」のキャンドルも。
また、ハワイ出身のアーティスト、ErinSimのバッグブランド「UmbrellaCollective」のバッグも発見。自分でレザーを選んでカスタムオーダーできるのが魅力です。
個性的ながら、お互いに調和して引き立てあっているのは、きっとそれぞれが認めあって尊重し合っているからなのだと感じます。アーティスト同士、ローカルビジネス同士のサポート。これもハワイらしい絆の表れなのですよね。あれもこれも素敵!
そうそう、Ten Tomorrowという店名は、たとえ経験がなくっても、ここで新しい明日をどんどん作っていける。明日はいくらでも変えていける、というポジティブな意味を込めてスタッフみんなで作ったものなんだそうです。未来への可能性が広がるネーミング、いいなあ。好きだわ。
これからは、さらに日本向けの活動もしていきたいし、レディースウエアだけでなく、キッズサイズやメンズラインへの展開も視野に入れていきたいと夢を語ってくれたサマーさん。会えば会うほど魅力が増す彼女のブランドだから、着れば着るほど幸せになるのかも。
教えたいけど、ほんとはちょっと内緒にしておきたいようなワンダーランド(笑)。カイムキの癒やしショップ、ぜひ足を運んでみてください。
Ten Tomorrow/テン・トゥモロー
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