2022.05.29

レストラン&カフェ

食でハワイの自然に恩返しを…想いが詰まった幸せ空間ナチュールワイキキ

  • WRITER 松本 律子

  • INTERVIEWER 瀬川 慶

2021年12月、ワイキキのシーサイド通りにオープンした「natuRe waikiki(ナチュール・ワイキキ)」。オープン以来、ずっと気になっていた、サステイナブル・アイランド・フレンチ・レストランです。

ワイキキの歴史指定建造物が、また新たな扉を開いた


なにせ、この建物自体がすごい。1935年に建てられた、歴史指定建造物を時間と手間を掛けて改築したレストランなんですよ。古民家を改築、その良さを残しながらリノベーションするのは、新築でビルを作るよりもずっとずっと大変なんですよね…。ほんと、ハワイの歴史を感じます。

 

1階に和食レストラン「ZIGU」があり、その2階へと階段を上がった2階がnatuRe waikiki。外観とは印象の違う、ウッディで落ち着いた空間が広がります。

 

エントランスを入って、まず目に飛び込んでくるのは、お洒落なバーカウンター。ここから既に、素敵だーーー!ワクワク感が、止まりません!!

 

若き日本人シェフ・小川苗さんの“決意”がすごすぎる


今回お話をうかがったのは、エグゼクティブシェフの小川苗さん。若き日本人女性のシェフが、ハワイで生み出すフレンチ!そのこだわりをお聞きしました。

 

※インタビュー動画はこちら👇👇👇


苗さんは、東京出身で調理師専門学校を卒業、東京の二つ星レストラン「NARISAWA」で経験を積んだ後、単身ニューヨークへ渡ってさらに二つ星レストランで腕を磨きました。さらにパリのビストロでも経験を重ね、ハワイへやってきたそうです。

 

ハワイでフランス料理って、ある意味チャレンジな気もしますが…?


「そうですね。新しい挑戦という部分に惹かれたのもあるんです。フレンチの技法を使って、ハワイの食材をどうやって美味しく提供できるかというチャレンジですね。フランス料理には“テロワール”(土地の個性)という言葉があるくらい、産地と食材の関係性を大切にする考え方があるんです。それを、ハワイという場所で実践したいと思っています。もちろんフレンチだけにこだわらず、ハワイの伝統や日本文化も取り入れてオリジナルの料理を目指してます」と苗シェフ。

“Farm to Table”の先、Beyond the “Farm to Table”へ


「イートローカル(地産地消)はもちろんですが、単にハワイ産食材ならいい、というわけじゃないと思っていて。たとえば、農薬を使わない有機野菜とか、環境に配慮された育て方をしている食材とか、ハワイの自然を大切にしたいという思いを持つ農家さんと一緒に料理を作り上げていきたいんです」とも。


だから苗さんは、実際に様々な農家さんや農場を視察に行って、そこで働く皆さんと会って食材を仕入れているんですね。


お店のコンセプトは「ビヨンド・ザ・ファーム・トゥ・テーブル(Beyond the “Farm to Table”)」。ファーム・トゥ・テーブルというコンセプトはちょっと前から様々な場所で聞くようになっていますが、そのもう一歩先を行きたいのだと。


「ひとつのレストランが環境のためにできることって、そんなに大きくないかもしれません。でも、食と自然は本当につながっている。それをハワイで強く感じたからこそ、素材選びにも、自然環境やファームの環境、農家の人たちの自然保護への取り組みなどに焦点を当てています」とシェフ。

 


●農家へ訪ねていって、今こういう野菜が余ってしまって…と聞けば、それを買い取ってメニューを考える。

 

●ハワイ島の牧場へ行ったら、大切に育てたグラスフェッドビーフの良い部位だけをほかのシェフたちが買い付けちゃって、そうじゃない部位が余って困っているとのこと。「だったらうちは一頭まるごと買います!」と一頭買いして、活かせる調理法を編みだす。

 

●海では、外来種のタアペ(Ta‘ape)という魚が爆発的に増えてしまった。その魚がほかの魚を食べてしまう状況を聞いてタアペを仕入れ、メニューに取り入れる。

 

●モロカイ島では野生の鹿が増えすぎてしまい、山の木々の新芽を食べて問題になっていると聞き、現地まで実際にハンティングへ!その鹿肉ももちろん新しいメニューとして提供する。

 

などなど、とにかくこだわりが、半端ないんですよね。


食材ありきで、そこに焦点をあてて新たなメニューを作るようになったのは、ハワイへ来てからです。東京、ニューヨーク、パリなどの大都市だと、どんな食材も手に入る。だから作りたい料理のために、食材を取り寄せられるんです。でもハワイはそこが難しい。逆に、ハワイにしかない素晴らしい食材があることもわかりました。だったらそれを使って、ハワイのためにサステイナブルな動きができることを楽しもうと。考え方が変わりました」。


だから、季節の旬や環境を考えた取り組みに合わせて、2ヶ月ごとにメニューも変えていくのだそう。

こだわりのコースメニューは2種


ナチュール・ワイキキのテイスティングメニューは、レギュラー(HALE)とプラントベース(ヴィーガン/AINA)の2種類。

どちらも6品のお料理から構成されています。


たとえばレギュラーコースでは…(こちら、2022年5月取材時の内容です)


外来種のタアペをさくっと揚げたベニエ。ケイパーとローカルフルーツ、ローカルマッシュルームなどで作った特製ソースとモリンガパウダーで仕上げています。ネギのヴィーガンアイオリソースも緑で美しい!


牛肉のテンダーロインをキアヴェで焼き上げたステーキは、とにかくジューシーで柔らかい!この牛は、ハワイ島ワイメアで家族経営されるマヒキ牧場で大切に育てられたものです。乗っているのは、スイスチャードの葉。オアフ島のカフマナオーガニックファームから仕入れています。


こうやって、食材への思いをていねいに一皿に込めて提供してくれるから、食べる方も自然や命への感謝の気持ちがより強くなります。


こちらはマウイ島産のスイートオニオンをムース状にしたスープ。玉ねぎ自体を器にした斬新な一品です。クルトンと一緒にいただくスープはもちろん、器の玉ねぎも甘くてついギリギリまで食べてしまいたくなる!見た目もかわいらしいですよね。

 


そして、ヴィーガンコースで驚いたのがこちら。


カフマナファーム産のビーツをポケ風にアレンジした、目にも楽しい一皿!マリネされたビーツに、ビーツの皮を乾燥したパウダーをトッピングし、キアヴェで瞬間スモークされた状態でテーブルへ運ばれます。

 


目の前でふわーっと煙が広がり、中から宝物のような鮮やかなビーツが登場。燻製具合もちょうどよくて、ここでしか味わえないスペシャルなメニューに感動しますよ。


それぞれにペアリングされるワインやノンアルコールドリンクもあったりして、深い楽しみ方ができるのもいい。ロマンチックにも、お祝いのディナーにも、楽しい語らいの場としても、間違いないです。


できれば、シェフズカウンターと呼ばれるカウンター席に座るのがおすすめ。魔法をかけるように作られていくお料理やシェフの手さばきを間近で見ながら、ディナーを楽しめます。


お皿などの陶器も地元ハワイのアーティストにイメージを伝えて作ってもらったもの。キャンドルにも廃油を活用、野菜の皮など生ゴミもコンポストして堆肥などにする…と、とにかく地元や環境への配慮がすごすぎるのです、ナチュール・ワイキキは。


配慮っていうか、これはね、もうシェフやスタッフ皆さんの“愛”だと思うのですよ。


「ハワイの自然に恩返しをしていきたいと強く願っています。でも、お客様には単純に美味しい、楽しい、と思っていただけることが一番。それが、回り回って結局ハワイのためになると信じています」と笑顔の苗さんが、本当に眩しい!!


店名、natuReの大文字Rは、Regenerate(再生)の意味も持っているそう。あれこれ聞きたいこと、伝えたいことが多すぎて、ここでは収まりきらないけれど。


きっと、お料理を食べてみたら、いろんなことが腑に落ちるはず。そして、きっとほんわかと幸せを感じられると思うのです。


ハワイの恵みに感謝して、この自然環境を未来につなげていくための一皿たち。その味わいを、次回のハワイでぜひとも試していただけたら嬉しい!大人気のレストランなので、早めの予約を強くオススメ致します。

★★★2022 Hale ‘Aina Award★★★

ナチュール・ワイキキは、地元有名マガジンが選ぶ「2022年ハレアイナ・アワード」にて、Best New Restaurant部門のGoldを受賞しました!また、Best Cocktail Program部門でもSilverを受賞。さらに話題を集めています。(2022年6月追記)

 

 

natuRe waikiki/ナチュール・ワイキキ

URL
https://www.naturewaikiki.com
住所
413 Seaside Avenue, 2nd floor, Honolulu, HI 96815
電話番号
(808) 212-9282
営業時間
17:30〜 23:30
Tasting Menu (Chef Counter, Dining Room): 17:30〜 20:30 Last Seating
A la Carte Menu (Bar Area): 17:30〜22:00 Last Call
Bar: 17:30〜23:00 Last Call
休日
日曜

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